
これまでは対面でしかレッスンを実施していなかった方も、コロナ禍での外出自粛の影響によりリモートワークが増えたことから、オンラインレッスンにチャレンジすることが増えています。また、様々な業界でオンラインセミナーを通して新しい顧客を獲得する動きも活発化しています。
しかし「今更始めても遅い?」「機械やネットにうといから、自分にはできないかも」という不安を抱えている方もいらっしゃいます。そこで今回は、オンラインセミナーやオンラインレッスンを始めるにはどんな準備が必要なのか、成功させるにはどうしたらよいのかについて解説します。
オンラインセミナーとオンラインレッスンとはそれぞれ、オンライン上で開催するセミナーやレッスンのことです。自宅で過ごす時間が増えたコロナ禍では、外に出ることなく受けられる点が人気を博し、多くの業界で開催されるようになりました。オンラインセミナーやオンラインレッスン専用のシステムを使うこともありますが、ZoomやGoogleMeetといった誰でも簡単にツールが利用されることもあり、スタートのハードルは低くなっています。
IT系の大企業はもちろん、様々な業界の中小企業や個人事業主の方も積極的にオンラインセミナーやオンラインレッスンを開いています。
オンラインセミナーやオンラインレッスンにチャレンジしたことがないと、難しそうなイメージがあるかもしれません。また、機材をそろえるのにお金がかかりそうと思っている方も多いようです。しかし実際には、初心者の方でも簡単に開催できます。

そもそもなぜオンラインセミナーやオンラインレッスンをするのか、そこでどんなことを伝えるのか、まずはコンテンツの企画をします。上手く整理できない場合は、同業他社の開いているものに参加してみてください。どんな情報をどんな形で、どんな順番で伝えているかなどがわかります。
企画が固まったら、機材の調達とツールを準備します。機材は高価なものもあり、画質や音質にこだわる方は数百万円のものを買うこともあります。しかし、初心者の方がそこまで準備する必要はありません。そもそも、カメラなどを新調せず手持ちのスマートフォンやPCなどを使ってもよいでしょう。端末とインターネット環境さえあれば、オンラインセミナーやオンラインレッスンは開催できます。
もし機材をそろえる余裕があれば、おすすめなのが照明器具とピンマイクの購入です。照明器具は2,000円程度で、リングタイプが主流です。画面を明るくすると表情も明るく見え、ポジティブな印象を与えます。また、ピンマイクがあると音声が聞きやすくなります。オンラインセミナーやオンラインレッスンでは参加者にわかりやすく情報を伝えることが大切なので、1万円以下の安価なものでよいので、準備しておきましょう。
配信ツールは、ZoomやGoogleMeetがおすすめです。開催時間や参加人数は制限されますが、無料で利用できます。また、コロナ禍ではこういったツールを使ったミーティングも増えたため、参加者にとっても馴染みがある点もポイントです。
オンラインセミナーやオンラインレッスンを開くには、参加してくれる方が必要です。しっかり集客して、なるべく多くの方を集めましょう。SNSを運用していれば、そこでセミナーの日時や概要を投稿します。あなたのフォロワーは、他の不特定多数の方よりあなたに対して興味を持っている分、参加率は高いでしょう。
また、顧客リストがあればそこからメルマガを配信してみましょう。こちらもまったくの他人より、参加してもらえる可能性があります。さらにオンライン広告も活用して、検索エンジンの結果画面で表示されるリスティング広告やSNS広告など、様々な手法を使ってみてください。
ここまで準備ができたら、いよいよオンラインセミナーやオンラインレッスンを開催します。時間に余裕を持って、当日の準備は早めに済ませるとよいでしょう。また、台本を用意しておくと緊張した時に安心です。さらにトラブルが起きたらどうするか自分なりのマニュアルを作ると、もしもの事態にも落ち着いて対応できます。
オンラインセミナーやオンラインレッスンを開くことで、いくつかのメリットが得られます。特に大きなポイントとなる3点を解説します。
オンラインセミナーを開くと全国の顧客にアプローチできるので、認知拡大につながります。自分のことを知ってもらうチャンスが増えるので、その分、新しい顧客の獲得につながるでしょう。
また、これまでは近隣住民しか対象にならなかった方でも、全国の方を相手にビジネスができるようになります。商圏が広がるので、顧客数が頭打ちになっていた方にとっては現状打破の一手となります。
オンラインレッスンでは、教室の広さなどによる物理的制約がありません。つまり、理論上は同時に教えられる顧客の数が無限となります。ただし実際には、質問に答えたり相手の様子を見て細かく指導したりといったフォローアップが必要です。教材動画のように一方的に伝えるのでなければ、まずは数人から始めて自分がどのくらいの人数を相手にレッスンできるか見極めましょう。
オンラインセミナーやオンラインレッスンは、初期投資がそれほどかかりません。もちろん機材にこだわればそれだけ費用はかさみますが、すでに持っているものや無料のツールなど最低限の準備だけでも開催できます。
コンテンツの準備には時間がかかりますが、一度作ってしまえば複数回同じ内容を繰り返すことも可能です。低コストで始められるので、お金をかけずに集客や売上アップを目指すことができます。
実際にどのようなオンラインレッスンが開かれているのか、事例をご紹介します。ご自身のビジネスに近いものがあれば参考にしてみてください。

コロナ禍ではトレーニングの需要が増え、オンラインでパーソナルトレーニングをレッスンする方も多くいます。Zoomなどで生徒の様子を見ながら、体の動きをチェックして細かく指導します。機械が使えないのでできるトレーニングの種類は制限されますが、声かけや食事指導などはオンラインでも問題なく行えます。また、オンラインでは複数の方を相手にしたレッスンを設けるなどすると、新しい収入のチャネルを作ることができます。
ピアノの講師の方は、オンラインでレッスンを行うことができます。マンツーマンはもちろん、同じ曲を練習している生徒複数に対してレッスンすることも可能です。できれば、端末は2つあるとよいでしょう。一つは全体を映し、一つは手元を映します。特に指の動きが重要になるため、手元はアップで配信することがコツです。また、楽譜は事前に送っておくとスムーズに始められます。

英語教室など語学のレッスンは、オンラインと相性がよいです。これは、細かい動きが見えなかったりライブ感が薄くなったりしても、きちんと音声でやり取りができれば問題ないためです。参考書やプリントなどの教材を使う場合は、事前に送っておきましょう。
卒・入学式や七五三、結婚式など、様々なシーンで着物を着る機会があります。そこで日常的に着物を着るために着付けレッスンを受ける方は多いです。そういった方向けに、着付けレッスンをオンラインで開くことができます。初心者向けのレッスンでは、必ず事前にどんなものが必要かリストを送っておきましょう。肌襦袢や腰ひもなど、そもそも何がいるのかわかっていないこともあります。また、映像が左右反転してしまう場合は、利用しているツールの設定画面から「ミラー効果」をオフにしましょう。
税理士や司法書士では、企業向け・個人向けセミナーどちらも開催が可能です。企業向けであれば不動産会社や金融機関向けに登記簿の基本的な読み方を、個人向けには確定申告や相続に関するセミナーなどが開催できるでしょう。
企業向けにセミナーを開催することで一度に沢山の潜在顧客をつながりを作ることができますし、個人向けのセミナーや個別相談会を実施することで今までアプローチできていなかった層との接点を作ることができます。
この他にも、オンラインレッスンができる種類はたくさんあります。ヨガやピラティス、ダンスといったスポーツから、ギターやサックスなどの楽器、書道や絵画などのアートもオンラインで教えられるでしょう。もしご自身のビジネスがオンラインレッスンでできるか悩んだら、「〇〇 オンラインレッスン」で検索すると、すでにやっている方がいるかを確認できます。
「今更オンラインセミナーを始めて意味があるのだろうか」「自分にもオンラインレッスンができるだろうか」と悩んでいる方もいるかもしれませんが、今から始めても認知拡大や収益アップなど様々な効果があります。これから事業を大きくしたい方、新しいチャレンジをしてみたい方は、ぜひトライしてみてください。