
一般的にリフォームの閑散期とも言われる冬ですが、感染症の流行などにより、在宅で過ごす時間が増えたことから“自宅でより暖かく、快適に過ごしたい”と、自宅のリフォームを検討される方も多いようです。そこで今回は、寒い冬に向けて需要の増加が見込まれるリフォーム箇所に注目してみました。顧客のニーズをうまくキャッチして、効果的な集客につなげてくださいね。
春夏は快適に過ごせていた自宅も、気温が下がるに連れて様々なトラブルが……といった声をお聞きになったことがある方も多いのではないでしょうか?2020年1月に(株)リクルート住まいカンパニーが運営する不動産・住宅情報サイト『SUUMO(スーモ)』が全国2400人を対象に行ったアンケート調査『冬の暮らし、家の中で困ること』では、以下のようなお悩みが多いことが明らかになりました。

お悩みでもっとも多く声が上がったのが“光熱費の高騰”。断熱性や機密性の問題から、家の中の暖かな空気が漏れてしまい悩んでいる様子が伺えます。次いで悩みを抱えている人が多かったのが”結露”問題。拭き掃除などの手間が増えるだけでなく、カビやダニの発生原因となり、健康被害を引き起こすこともあることから、なんとか対処したいと考える方が多いようです。
統計局が発表を行っている家計消費状況調査の結果では、毎年11〜12月ごろにかけて、外構周りと給排水関係の手入れ、工事費に関する支出が増える傾向にあることがわかります。


様々なデータから、冬の住まいに関するお悩みを見てきましたが、ここからは具体的に冬に向けて需要増が見込まれるリフォーム箇所の具体例をピックアップしてご紹介します。顧客へのリフォーム提案の参考にしてくださいね。

住まいの大きな開口部であり、断熱性や機密性、結露問題にも直結する“窓”。既存の窓はそのままに内窓を取り付ける、樹脂サッシへの交換やペアガラスの導入は、冬に需要が高まるリフォームの代表格といえそうです。

先述の『冬の暮らし、家の中で困ること』アンケート結果上位に見られた「洗濯物が乾かない」「洗面、風呂が寒い」ことへの解決策としてご提案したい浴室のリフォーム。在来工法からユニットバスへ、浴室乾燥暖房機の設置など様々なアプローチが挙げられます。ヒートショック対策への関心も年々高まっており、高齢者の方からのニーズも多いのではないでしょうか。

暖房を設置していないトイレに関しても、不満を抱える人が多いようです。室内暖房機能を備えた便座を設置する、窓がある場合は内窓をつけ断熱性を高めるといったリフォームの検討をオススメしてみるのはいかがでしょうか。

室内の乾燥に悩むお客様には、珪藻土や無垢のフローリング、室内の湿度を一定に保つ壁材を用いたリフォームをご提案してみるのもいいかもしれません。

リビングやキッチンなど、床に直接足元が触れる機会が多い場所では、“底冷え”に悩む人が多いようです。床暖房の導入は費用や工期の面などから、ハードルが高いと感じるお客様には、床の張替えは行わず、床下に断熱材を入れるといったリフォームのご提案はいかがでしょうか。

寒い季節の食器洗いが原因で手荒れなどに悩む方は多いもの。いっそのこと食器洗い乾燥機を導入してはどうか?と具体的な検討を冬に始めるお客様も多いことが予想されます。

寒さ対策と言えば、お客様の注目は“窓”にいきがちですが、玄関も室内の暖かな空気を逃す大きな原因です。高断熱素材の玄関ドアを採用する、玄関とリビングを仕切るドアを設置する、土間がある場合は、基礎断熱工事を行うといったご提案が考えられます。
外構工事は気候が暖かくなってからと考えるお客様も多いようですが、繁忙期よりも業者のスケジュールがおさえやすく、余裕を持って工事を行える点や落葉樹のようなシンボルツリーは、葉を落とす冬の期間の方が、植栽工事には向いているといったメリットをお伝えすることで冬場の需要を掘り起こすきっかけになるかもしれません。
今回は、冬ならではの住まいに関するお悩みと需要増が予想されるリフォーム箇所の具体例をご紹介しました。事前に具体的なニーズをイメージしておくことで、魅力的な提案に繋げてくださいね。