
商談をしていると、「契約・購入してくれると思ったのに、上手くいかなかった」ということも多々ありますよね。時間をかけて準備をしたのに成約にならないと、モチベーションも下がってしまうものです。そこで今回は、せっかく得た商談の機会を無駄にせず、契約や購入という結果を得られるよう、成約率を上げるための方法を9つ解説します。
【目次】
誰に対してどのようなアプローチが効率的かわかる
どのプロセスを改善すべきかわかる
成約率とは、商談の数に対して、どのくらい成約したかを表す割合のことです。例えば10件の商談に対して1件の成約が決まれば、成約率は10%ということになります。これまで成約率を意識していなかった方は、「わざわざ割合を出す必要があるのか?」と感じるかもしれません。しかし、成約率を意識することには2つの大きな意味があります。
どんなお客様に対しても成約まで持っていくことができればよいのですが、実際にはそう上手くはいきません。一定のお客様に対してはすんなり成約できるのに対し、上手くいかないケースも多々あります。成約率を分析することにより、「どんなお客様に対して成約しやすいのか」を見つけることが可能です。
例えば「30代女性のお客様は成約しやすい」ということがわかれば、最初の段階からこの属性の方をターゲットにアプローチすることができます。また、なかなか成約が決まらない相手に対してかける時間を減らすことで、より効率的に売上をアップできます。
商談において、成約に至るまでには様々なプロセスがあります。商談は、まずは自社に興味を持ってくれる見込み客を集め、アプローチをし、アポイントを取ったらヒアリングをします。そして商品やサービスを提案して、お客様の背中を押すクロージングをし、成約という流れです。

成約率を計算して分析すると、この中のどの段階で失敗につながるのかがわかります。例えばそもそも見込み客を多く集められていないのであれば、広告を打ったり広告方法を変えたりといった施策が必要です。「なぜ成約率が上がらないのか」と無駄に悩むのではなく、このようにダメな部分を見つけることで、効果的な改善ができます。
成約率を上げるためにどのような方法があるのか、具体的な方法をご紹介します。
「成約率を上げる」という目標は大きすぎて、何をすればいいのか判断ができません。そこで、もっと細かい目標を設定してみましょう。例えば「商談の回数を10%増やす」といった目標であれば、具体的に何をどのくらい増やせばいいのかが見えてきます。この時、「10%」のように数値を入れることがポイントです。
自社の商品やサービスを気に入ってもらおうと、メリットばかり伝えるのは逆効果です。自分自身が買い手だと想像すると、良いところだけ並べられると「うさんくさい」「何か隠しているのでは」といった気持ちになることは理解できるでしょう。そこで、メリットと同時にデメリットも伝えることで、誠実さが伝わり印象がよくなります。この時、「初期費用は〇円ほどかかりますが、〇か月で売上が5%伸びます」というように、メリットとあわせて話すとネガティブな印象が強くなりすぎません。
自社製品・サービスのよさをわかってもらうことは大切ですが、それ以上に気を付けなくてはならないことがあります。それが、相手のニーズに合わせることです。しかし最初からお客様が何に困っているのかわかるケースはほとんどありません。商談の中で「なぜそんな課題を抱えているのか」を深堀りし、相手の本当のニーズを見極めるようにしましょう。
お客様がどのようなスケジュールで動いているのかを理解していないと、見当はずれなタイミングで提案をしてしまうことになります。例えば清掃サービスを扱っていて、お客様は「年末までに家をきれいにしたい」と思っているのに「年始にキャンペーンを行います」と話しても意味がありません。いつまでに何をしたいのか、最初の段階でしっかり把握しておきましょう。
問い合わせがあったら、すぐに対応しましょう。多くの場合、お客様は複数の業者と平行して商談を進めています。回答が早ければ早いほど競合より有利になり、成約につながります。もしすぐに回答できない質問などが来たら、「〇日までに回答します」と伝えるだけでも安心感を持ってもらえるのでおすすめです。
お客様の期待に応えようと、商品やサービスをあれこれ提案してしまうことは逆効果です。選択肢が多すぎるとそこから選ぶのが面倒に感じ、成約につながらなくなってしまいます。こちら側で本当に必要なものを見極めて、あえて選択肢を絞った状態で提案した方が、成約率は上がるものです。
成約するかどうかは最後に決まりますが、途中の段階でどのくらいの意志があるかを確認するのもおすすめです。例えば、提案内容を一通り説明した後に「もし契約するとしたら、どのプランにしますか?」など聞くことで、相手が契約に対してどの程度の気持ちを持っているかを判断することができます。モチベーションが高ければそのまま商談を続け、低いようなら何が気になっているのかを聞き出しましょう。
提案が終わって即答で成約となることは少なく、多くの場合お客様は黙って検討します。その沈黙を恐れて必要以上に話してしまうと、検討の邪魔になり成約率は上がりません。このタイミングでの沈黙はゴールデンサイレンスと呼ばれ、大切にするべきものです。意図的にこちらも黙り、お客様の答えを待ちましょう。
商品やサービスのよさを上手く語ることができれば成約につながると感じる方もいるかもしれませんが、それだけではありません。カルフォルニア大学ロサンゼルス校の心理学者であるアルバート・メラビアンが1971年に提唱した「メラビアンの法則」によると話し手が聞き手に与える印象は、視覚情報が55%、聴覚情報が35%、言語情報が7%と言われています。話している内容も大切ですが、声のトーンが弱々しいと自信がない・聞く価値がないと思われてしまいます。また、仕草や態度に落ち着きがなければ、話を聞いていないと判断される可能性があります。どんな声色や話し方、表情、仕草かということもお客様との関係構築の際に大切になります。話す内容とあわせて表情や声のトーン、仕草にも注意をするようにしましょう。
成約率は、やみくもに努力してもなかなか上がりません。きちんと自分の課題を見つけて、それを解決していくことが大切です。何から手を付けてよいかわからない場合は、今回ご紹介した9つの方法を参考にしてください。少しずつ成約率が上がることで売上アップにも繋がるはずです。